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戦争と平和を考える朗読公演「つなぐ~あの日の記憶」2024 “青い空の向こう” <ゲネプロ(3)>

地下鉄千代田線の赤坂駅で降りると、TBSを左手に見ながら、日枝神社方向に向かって歩くこと2,3分。とても立地の良いビルの地下にある「赤坂CHANCEシアター」の収容人数は45名程。マイクのない朗読公演にはちょうど良いサイズなのかもしれない。とにかく私は、朗読公演もゲネプロも舞台も初めての経験。本番順に最後の稽古が進む。衣装の着替えのタイミング、ライティング、立ち位置や導線の最終確認などをして、とにかく舞台の構造に慣れないと余計なミスも出てしまう。ライティングミキサーの方が初心者の若い女性ということで、やや不安もあるがしっかりしていそうだ。演目は、先の戦争における瀬戸内海の庶民の生活を描いた文学作品。①「石うすの歌」②「えんぴつびな」「演者による解説A」③「おかあさんの木」④「おとなになれなかった弟たち……」「演者による解説B」⑤「鐘」。5つの演目のうち、私は①のおばあちゃん役、③の村人役、⑤のプロデューサーの役と全体ナレーションを担当する。6月初旬から始まった稽古は10回。私は全員が初対面の計9名の演者たち。声物園の会員と外部のセミプロも混じっている。日中の仕事を終えた後、午後6時30分頃から全員が揃う感じで進められた。私は初回、5年ぶりに大カゼをひいて声が出ないためリモートの参加。演者は2か月という準備期間だが、企画・演出・プロデューサーをこなす吉川雅子会長は、もっと前から他の企画やイベントを同時進行させながら、毎回立ち会ってきた。さて、赤坂CHANCEシアターのトイレはお客様と兼用なのでタイミングに配慮すること、演者の控室も一つで狭く、エアコンが届かないため扇風機のみであるが、男性2人を含む9名の演者の着替えも気兼ねなくして、演者の気持ちは舞台に集中している。すべては貴重な経験だ。